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カスハラ対応を現場任せにする会社に欠けた視点 その利用者は「顧客」かそれとも「非顧客」か

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  • 津田 卓也 クレーム研修担当講師/Cube Roots代表
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このように、業界・業種・業態によって、「非顧客」の定義は異なります。また、「無理難題を押し付けてくるお客様」も、一概に「非顧客」と決め着けるのは危険です。なぜなら、文句を言う権利は誰にでもあるからです。

もちろん「できない」と断っても、繰り返し要求をしてくる場合や、脅迫的な言動やスタッフが身の危険を感じるような言葉を伴う場合は別ですが、対応者が一目で判断することは厳しいのです。

(画像:『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』より)

組織の数だけ「非顧客」あり

「非顧客」と判断するべきか否かは、組織があらゆるリスクを考えて決定します。今までのクレーム対応は「お客様をファンに変える」という観点で行ってきました。この原則は、どんな時代が来ようと揺るぎません。しかし、「非顧客」であるにもかかわらず「お客様対応モード」で対応してしまえば、相手は増長し、無理な要求に拍車が掛かり、扱いに困るような厄介なクレーマーに変貌するでしょう。

逆に一般クレームの範囲なのに、判断を誤り「非顧客」として対応をしたら「何の改善もされないどころか、迷惑クレーマー扱いされた」と、お客様は憤慨してしまいます。

『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』(あさ出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「顧客」「非顧客」の判断を、現場で対応しているスタッフ個人の感覚に委ねるのはとても危険です。対応者のスキル不足や個人のその時々の感情によってお客様を選別するようなケースを避ける必要があります。

同じようなクレームなのに対応に差が出て整合性がとれなくなってしまえば、組織としての在り方を問われる事態が生じます。その判断は現場スタッフに任せるべきものではないのです。

顧客の定義づけは、必ず組織がルールを整備して一定の基準で行えるようにします。組織として、「非顧客」の定義づけさえしてしまえば、現場のスタッフは、「非顧客」に無駄な時間を使う必要がなくなりますので、業務効率が上がり、働きやすくなります。

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