「amazonはシンプル」「楽天は読み応え重視」EC市場攻略のために知っておくべき各社の営業戦略からUI設計を《元トップセールス社員が伝授》
具体的に、Amazonと楽天市場の商品ページの違いを見てみましょう。
たとえば人気プロテイン商品「タンパクオトメ」と検索し、それぞれの商品ページで比較します。
楽天市場の場合は、ページ内容の要素が膨大であることがわかります。

「Rakutenランキング第1位」「シリーズ累計○万袋突破!」「○○アワード受賞!」という感じで、ある種しつこいくらいの商品説明を詰め込んでいます。
そのほか、値引き、ポイント付与などの演出も強く打ち出している場合もあります。たとえば、楽天スーパーセール、お買い物マラソン、3月、6月、9月、12月に大々的なイベントのほか、ポイント7倍付与、50倍付与という大胆な仕掛けも行っています。このように、「お得に買い物がしたい」という方からの熱い支持が集まっているのが楽天市場の特徴と言えるでしょう。
一方でAmazonは非常にシンプルです。まず商品画像は、上限が9枚です(PCは最大9枚まで登録できるが、モバイル上は7枚までしか表示できない)。このページを見て感じるのは、商品を買う前提の人にとって最適なUIであるということです。つまりAmazonが自動的に、最安値で買えて、最短で届くなど、お客様にとって最適な条件を満たす店舗を購入ボタンとセットで表示してくれる仕組みなのです。
Amazonはもっとも良い条件を自動で提示してくれて、楽天はよい条件をお客様自身の目で探す、という違いです。

Amazonの購買比率は、検索60%、おすすめ30%
ここからは、カスタマージャーニーについてお話をします。ここではAmazonと楽天の違いを知るうえで最低限の説明に留めます。
カスタマージャーニーとは、直訳すると「お客様の旅路」です。Amazonや楽天を訪れたお客様がどのような経路をたどって、最終的に購入に至ったのかという「動線」を指します。
Amazonの場合は、訪れる方のうち約60%が「検索」を起点とする動線です。たとえばトップページで「プロテイン」と検索を行います。するとさまざまなメーカーのプロテインが検索結果ページに表示されます。そしてそのなかから最終的に「これを買う」という動線になります。
次点は、「レコメンド(おすすめ)」を起点とするお客様です。全体の約30%を占めます。たとえば「プロテイン」と検索を行います。そして気になるプロテインの商品ページへ進むと、関連商品がおすすめ欄に表示されるのです。そこにはさまざまなフレーバーのプロテインが並びます。すると「こちらの味も気になる。ついでに買っちゃおう」というふうに購入に至るのです。

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