「amazonはシンプル」「楽天は読み応え重視」EC市場攻略のために知っておくべき各社の営業戦略からUI設計を《元トップセールス社員が伝授》

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各プラットフォームの営業担当者と仲よくしていくための秘訣。それは、彼らのKPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)を押さえることです。KPI、つまりノルマを指します。 

結論から申しますと、Amazonは店舗と営業担当者との目標が一致しています。 

楽天市場は、お客様の目標とECCの目標が一致しづらいため、担当者の見極めや相性が大切です。この違いについて、「インプット」「アウトプット」という言葉を用いて説明します。 

(『【超完全版】Amazonビジネス大全「ゼロ」から年商1億円の最短ルート』より)

Amazonのノルマは、販売者の目標と一致している 

私がAmazonの営業職だったころ、「インプットゴール」と「アウトプットゴール」という目標に向かっていくスタイルでした。Amazonは常に「世界で一番品揃えのあるプラットフォーム」を目指しています。それを実現するためのインプットゴールとして、「出品数」という目標が存在します。もちろんビジネスとしてロイヤリティ(アウトプットゴール)も大事ですが、インプットゴールが達成できれば人事評価として及第点は取れるのです。つまりAmazonの営業は比較的コントローラブルな数字を追いかけるスタイルになります。 

【超完全版】Amazonビジネス大全 「ゼロ」から年商1億円の最短ルート
『【超完全版】Amazonビジネス大全「ゼロ」から年商1億円の最短ルート』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

一方で楽天市場のECCは、広告と売上の両方を目標として追いかけています。場合によっては、店舗から広告収益を獲得(アウトプットゴール)せんがため、押し売り営業の可能性も否めません。 

ECCは、1日に獲得しなければならない広告額が膨大であると言われています。たとえば、その数字目標を1日の営業時間(8時間)で割り、午前10時、正午という区切りで上司へ状況報告します。仮に18時時点で達成できなければ、みんなで営業電話をかけてその穴埋めをする……。ECCは、このような厳しい環境に身を置いているのです。 

残念ながら一部の店舗のなかには、ECCのごり押しで広告枠を買ったものの結果が振るわなかったという話も耳にします。 

出店側として大切なのは売上と利益です。まずはそこをしっかり取れるように営業担当者と仲よくする必要はあります。しかし、すべてを信頼しすぎて何事も相手に言われるがままではいけません。それを見極めるきっかけとして、各プラットフォームにおけるビジネスモデルの違いを知っておくことが大切です。 

田中 謙伍 EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO

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たなか けんご / Kengo Tanaka

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。

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