「amazonはシンプル」「楽天は読み応え重視」EC市場攻略のために知っておくべき各社の営業戦略からUI設計を《元トップセールス社員が伝授》

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どちらが良い・悪い、使いやすい・使いにくいなどの評価は、お客様が判断するのでここで議論する必要はありません。ただ、Amazonが現在まで急成長してきた1つの理由として、創業者のジェフ・ベゾス氏の発見・発明がカギになると私は考えています。それはSDP(シングル・ディテール・ページ)というものです。 

Amazonは基本的に「同じ商品で、複数の商品ページが存在してはいけない」という思想があります。つまり、1商品につき、商品ページは1つしかつくれないということです。たとえばヘッドホンを特定の型番で検索すると、次の図のように検索結果が異なります。 

(『【超完全版】Amazonビジネス大全「ゼロ」から年商1億円の最短ルート』より)

Amazonは同じ型番は1つしか表示されませんが、他の関連機種が並列で紹介されています。これがSDPの特徴です。 

一方楽天市場は、同じ型番の商品画像が検索結果としてずらっと並んでいます。どの店舗が安いか、どの店舗で買うとポイント還元率が高いか、配送が一番早い店舗はどこか、などを検索結果ページをスクロールしながら比較検討する必要があるのです。これが「誰から(Who)→なにを(What)買うか」の典型的な差と言えます。 

(『【超完全版】Amazonビジネス大全「ゼロ」から年商1億円の最短ルート』より)

Amazonの商品ページはシンプル重視、楽天市場は読み応え重視 

UIの話の延長として、各商品ページにも違いがあります。 

Amazonはとてもシンプルです。商品名、商品画像、商品説明、購入ボタンなどすべてに統一感があります。 

一方、楽天市場の場合は出店する店舗の特色が強い傾向があります。たとえば、説明文や画像をてんこ盛りにして読み応えを演出するページ、あるいは別商品のリンクがたくさん付随していてページ内で目移りさせる仕掛けなど。先ほど紹介したように、楽天市場は「ショッピングモール型」なので、Amazonよりも情報量が多い点は理にかなっていると言えます。つまり出品する店舗が自由にデザイン、カスタマイズができるような仕組みなのです。 

Amazonはお客様目線のUI設計で、楽天市場は販売者目線のUI設計というコンセプトの違いがあります。 

次ページAmazonと楽天市場の商品ページの違い
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