「amazonはシンプル」「楽天は読み応え重視」EC市場攻略のために知っておくべき各社の営業戦略からUI設計を《元トップセールス社員が伝授》
Amazonと楽天で、売れやすい商品、得意なジャンルは異なります。まず、Amazonは次のジャンルを得意とします。
・家電
・消費財
本、家電はイメージしやすいでしょう。消費財とは、ペットボトル飲料、シャンプー、米など、重たい食材や消耗品が中心です。何度もリピートして買うものをAmazonは得意とします。スーパー、コンビニ、家電量販店などで売っているものを、Amazonで調べて安く買う。あるいは、店舗で買って持ち帰るには重たすぎる場合も、Amazonなら最短で翌日に届けてくれる手軽さも魅力です。
楽天は、次のジャンルを得意とします。
・ファッション
いずれもオリジナル商品、プライベートブランドものが得意とされています。クリスマスケーキ、父の日や母の日ギフトなど、特別感のある食品を中心に、カニ、うなぎなどが人気です。
ファッションは、プチプラ系が得意です。実店舗ではなかなか見かけないファッションブランド、あるいはネット通販のみのブランドを業界的には「プライベートブランド」と呼んでいますが、それらの商品が売られやすい場所です。当然、商品ラインナップも女性向けが多く、メンズが2割でレディースが8割という比率になります。
ちなみにAmazonの場合はメンズ7割で、レディース3割となります。加えてファッションカテゴリーでは、現在も楽天のほうが強いと言えます。規模で言うと、Amazonの3倍以上はあるでしょう。
ユーザー・インターフェースの違い
こうしてAmazonと楽天を細かく比較すると、得意ジャンルも違えば、同ジャンルでもターゲット層が異なっていることが見えてきます。
こうした違いが生まれる大きな要素として、サイト内のUI(ユーザー・インターフェース)が挙げられます。
UIとは簡単に言うと、サイトを構成するデザインです。Amazonと楽天市場のUIは、ざっくり言うと「カタログ型」「モール型」という思想の違いがあります。
Amazonは、まるでカタログを眺めているように商品が主体となる見え方になります。消費者の購買意欲に言い換えると、「なにを(What)→誰から(Who)買うか」という流れです。

一方、楽天市場はショッピングモールを運営しているという考え方です。つまりブランドや店舗が醸し出す雰囲気も込みで商品を選ぶ感覚です。消費者の購買意欲としては、「誰から(Who)→なにを(What)を買うか」という流れになります。
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