身長が1インチ高いと年収が789ドル増える 「身体の大きさ」がカリスマ性の源泉だった?

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オリンピック選手が競技で最高の演技をした時、得点をとった時などにガッツポーズをとったり、両手を点に高く上げて喜びを表現するが、こうしたポーズは、実は目の不自由なアスリートにも共通しているのだそうだ。人は自分に大きなパワーを感じるときに、自然と「勝利のポーズ」をしてしまう。のであれば、パワフルなポーズをすることで、パワフルな自分というマインドセットを作り上げることができるのでは、と教授は考え、多くの実験を繰り返し、それを実証した。

つまり、「パワフルに振る舞うだけで、本当にパワフルになれる」ということだ。まさに、Fake it, till make it(本物のまねをしているうちに、本物になれる)という考え方で、「マインドを変えれば、外見が変わる」だけではなく、「外見を変えれば、マインドも変われる」というわけだ。ダイエットをしようというマインドが外見を変えるだけではなく、ダイエットをすることで、マインドも変えられる、といったような感じだろうか。

教授のこの研究は、2012年にTEDで披露され、大反響を呼んだが、今でも大きな影響力を持った学説とされている。

パワーポーズの3つのルール

それでは最後の黄金則。このパワーポーズの3つのルールを紹介しよう。

1. パワーポーズはプレゼンや本番中にするものではなく、重要なプレゼンなどの前に、一人、誰も見ていない場所でやってみよう。
2. 両手を点に高く上げるスーパーマンのポーズや、腰に手を当て、胸を張るワンダーウーマンのポーズ、さらには足を机に上げて手を頭の後ろで組むポーズなどがおススメ。
3. 自分が下手に出るべきセールスや、謙虚さやおとなしさを求められる場面の前にはあまり向かない。自分を鼓舞したい、勇気を出したい、強さを前面に出したいといった時、短時間でもいいのでやってみよう。

 

コミュニケーションは何も難しく考えることはない。まずはカタチから変えてみる、そこに自信もついてくる――。そういうものだ。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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