「管理職=罰ゲーム?」敬遠する人が知らない真実 「管理職になりたくない5つの理由」から考える

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なんちゃって管理職は、本来の「管理」を忘れ、単なる「情報管理」に追われている。上司からの指示をそのまま部下に伝えるだけ。部下にはつねに報告を徹底させ、報告させたことを上司に伝える。――つまり、単なる「伝達役」だ。

会議は「現状報告」「進捗報告」ばかり。だから、なんちゃって管理職の人たちはDX推進に後ろ向きだ。デジタル技術によって高度に情報共有がなされれば、自分の仕事が奪われていくからだ。まさに存在意義が問われることになる。

しかし本物の管理職は違う。本来の「管理」を真摯にやり抜こうとする。もともとの管理とは「目標管理」である。

仮説を立て、検証し、部下の成長を促しながら組織としての目標を達成する。つまり次の3つができるのが本物の管理職だ。

(1)目標達成の施策を考え抜く
(2)組織全体を俯瞰して適切にリソース配分ができる
(3)部下の成長を支援できる

これらは、どんなにDX推進しても成し遂げられない。だから多くの企業で「本物の管理職」が必要とされている。

管理職を敬遠するのは単なる思い込み?

繰り返すが、管理職への不安は、思い込みによるものが多いのではないかと思っている。とくに長時間労働と待遇面については、だ。この点について私の考えを紹介したい。

ある製造業の例を紹介しよう。C部長は就任当初、夜遅くまで働いていた。しかし、あるとき「管理職の仕事はリソース配分と育成だ」と気づいた。日々の業務は部下に任せ、自身は重要な意思決定と部下の成長支援に注力した。

その結果、労働時間は月210時間から平均180時間まで減少。部下の成長も加速し、組織の生産性は1.5倍に向上した。

次ページ待遇面でも勘違いは多い
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事