「管理職=罰ゲーム?」敬遠する人が知らない真実 「管理職になりたくない5つの理由」から考える
なんちゃって管理職のように情報管理ばかりに時間を費やしていると、労働時間は必然的に長くなる。部下からの報告を待ち、上司への報告書を作成する。その間に本来の仕事である判断や育成が後回しになり、結果的にワークライフバランスが実現しなくなるのだ。
待遇面でも勘違いは多い。D社では管理職の基本給は一般社員より2割高いが、残業代がない。このため年収が下がることはある。しかし実際には、成果に応じた賞与や各種手当で、平均で年収は3割以上増加している。
また、待遇を目先の金銭的報酬だけで判断すべきではないと私は考えている。重要なのは本人の市場価値だ。管理職として実績がある人は転職市場での評価は高い。より良い条件でのキャリアチェンジも可能だ。
つまり管理職は、効率的な働き方と高い市場価値を両立できるポジションなのだ。「本物の管理」を学び、体得することで、将来安泰なスキルや経験を身につけられる。
決して罰ゲームではない
キーワードは「リソース配分」だ。私が支援しているIT企業の部長は、自分で仕事を抱えることなく、適性をうまく考えて役割分担を徹底した。新しいプロジェクトをはじめても、時間外労働が増えたのは最初の月だけで、その後は10%以上減っている。
管理職は決して罰ゲームではない。自分の成長にもつながるし、市場価値を上げることにもつながる。管理職にならないと得られない貴重な経験はたくさんあるのだ。組織から期待され、メンバーのマネジメントも順調に進めば、心地よい達成感も得られるはずだ。
管理職に求められるスキル、適性は時代とともに変わってきた。情報を上げ下げするだけの「情報管理」から、状況に応じてリソースを配分する「目標管理」へ意識を変えていこう。決して難しいことではない。
メンバーの成長を支援しながら、組織にしっかりと成果を出せる管理職になれれば、それは「罰ゲーム」ではなく大きな「キャリアアップの道」となる。やりがいと成長を感じられる重要なポジションと、ぜひ理解してもらいたい。
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