「管理職=罰ゲーム?」敬遠する人が知らない真実 「管理職になりたくない5つの理由」から考える
長時間労働への不安も理由のひとつだろう。ビズリーチWorkTech研究所(2024年10月)の意識調査では「管理職になると仕事量が増えすぎる」「プライベートの時間が奪われる」という回答が全体の4割近くを占めた。
管理職の仕事は、自分の業務だけでなく、部下の進捗管理や育成、トラブル対応など、多岐にわたる。働き方改革で残業規制は強化された。しかし実際には管理職が最後まで残って業務をフォローするケースも多い(尻拭いのような仕事もさせられている)。
そういう姿を見ると、管理職に魅力を感じなくなるのだろう。
4番目の理由は「適性」への不安である。「人をまとめるスキルに自信がない」「リーダーシップを発揮できるイメージが持てない」と感じる人が多い。
また専門職としてのキャリアを磨くほうが向いている、と感じる人も少なくない。
「部下を指導するなんて自分には荷が重い」
「人間関係がこじれたときの対処法がわからない」
このような不安が重なり、管理職を敬遠する傾向が強まっていると思う。
最後の理由は待遇面への不満だ。「責任や業務負担の大きさに比べて、見返りが少ない」と感じる人も増えているという。
実際のところ、一般社員時代に支給されていた残業代が、管理職になると固定手当制になる。結果的に収入があまり変わらないか、下がってしまうケースも珍しくない。さらに「管理職になっても思うように権限が与えられない」「将来の保障にはつながりにくい」といった声もある。
おそらく「ハイリスク・ローリターン」なイメージが定着しているのだろう。
このように、管理職を嫌がる理由は、出世欲のなさ、責任の重さ、長時間労働、適性への不安、待遇面の不満と……と、さまざまだ。しかし管理職の仕事の本質を、正しく理解していないケースも多いはず。
私は単なる思い込み、だと考えている。
「なんちゃって管理職」と「本物の管理職」の違い
管理職が本当に「罰ゲーム」なのかというと、そうではないと私は考えている。なぜなら多くの企業で「本物の管理職」は引く手あまただからだ。まずは「なんちゃって管理職」と「本物の管理職」の違いについて解説したい。
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