「明日の会議は10時から。」 これがパワハラ!? スタンプ返信・既読スルーはNG? 知らないとマズい「ビジネスチャット」の今どきお作法

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チャットのイメージ
ビジネスチャットの世代間ギャップを乗り越えるために、上司が実行すべきこととは?(写真: izumousagi/PIXTA)

まさか部下たちに「パワハラ上司」だと思われていたなんて……。

ある大手メーカーの営業部長(52歳)が愕然とした。部署のグループチャットで業務連絡をした際、若手社員から既読スルーが続出。「了解です」のスタンプひとつで済ます者もいた。頭にきた部長は「ビジネスの基本がなってない!」と説教したが、翌週に3人が「パワハラがあった」と人事部に相談を持ちかけた。

実はZ世代の半数以上が、上司のチャットの文章に冷たさを感じている。そこで今回はビジネスチャットの世代間ギャップについて解説する。(56歳の筆者と同じく)昭和世代の管理職は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

「承知しました」地獄が生む組織の分断

冒頭の部長は、チームのグループチャットを厳格に運用していた。

連絡事項には必ず「承知しました」と返信させる。スタンプは厳禁。「了解」という言葉も目上に使うには失礼だと禁止した。

深夜0時に遅れて返信する者がいれば「深夜にチャットを返すバカがいるか! もっと早く返信しなさい」と翌朝注意する。

「ビジネスマナーを教えているだけだ」

部長はそう主張する。しかし若手社員たちの本音は違った。退職した24歳の元社員はこう語る。

「句点だけで終わる文章が怖かったです」

「『明日の会議は10時から。』これだけ送られてきて」

「メッセージを送っても『はい』しか返ってこない」

「なんか怒ってるのかなって」

たしかに昭和世代にとって句点は当たり前だ。文章の終わりを示す記号にすぎない。しかしZ世代にとっては違う。SNSネイティブの彼らには、句点は「冷たさ」の象徴なのだ。

ペンマーク社とアルバトロス社の「Z世代と上司のコミュニケーションに関する実態調査」でも、Z世代の53.5%が句点のみの文章に「冷たい」「高圧的だ」と感じている。この数字は衝撃的だ。半数以上が不快感を抱いているのである。

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