「明日の会議は10時から。」 これがパワハラ!? スタンプ返信・既読スルーはNG? 知らないとマズい「ビジネスチャット」の今どきお作法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なぜこんなギャップが生まれるのか。

理由は育った環境の違いにある。Z世代は幼い頃からLINEなどのチャットやインスタグラムなどのSNSに触れてきた。絵文字やスタンプで感情を表現するのが当たり前だ。

テキストだけのやり取りでも、相手の感情を読み取る訓練を積んでいる。だから微妙なニュアンスの違いに敏感なのだ。

たとえば、同じ「わかりました」でも、

「わかりました。」

「わかりました!」

「わかりました^^」

これらはまったく違う印象を与える。Z世代はこの違いを瞬時に読み取る。

一方、私のような昭和世代は違う。ビジネス目的のコミュニケーションなのだから、感嘆符や絵文字は使いづらい。

「仕事は遊びじゃない」「プロフェッショナルたれ」ーー。

そう言われて育った世代である。

句点をつけるのは当然だし、絵文字などは論外。スタンプなんて、ただの遊びだと思っている。この認識の差が、大きな誤解を生んでいる。上司は効率的に仕事をしているつもりが、部下には「どうしてこんなに冷たい?」「私のことが嫌いなの?」と受け取られる。

今すぐできる「5つの改善策」

では、どうすればいいのか。具体的な改善策を示そう。

(※事前に「こうしたほうがいいだろうか」と部下たちに確認することが必要だが)

(1)絵文字を1つは入れる

「会議は10時からです^^」

たったこれだけで印象が変わる。最初は抵抗があるだろう。しかし慣れれば簡単だ。「部長、意外とかわいいところあるな」と思われる可能性が高い。

(2)感謝の言葉を添える

「資料ありがとう!」

「本当に、助かりました」

一言添えるだけで温かみが出る。部下のモチベーションも上がるだろう。

(3)リアクションは必ずつける

スタンプひとつでも構わない。メッセージに対する「いいね」ボタンを押すだけでもいい。反応があることが大切なのだ。既読スルーや無視は絶対NG。「挨拶したのに無視された」と同じぐらい、相手は不安になる。

(4)疑問形を使う

「私は~~だと思いますが、これでいいですか?」

「どう思いますか?」

命令形より疑問形にしてみよう。相手の意見を聞く姿勢を見せるのも悪くはない。

(5)相手のペースを尊重する

「時間があるときで大丈夫です」

「急ぎではありません」

よほど緊急でない限り、「至急」「締切厳守」といったプレッシャーを与えない配慮が必要だ。

「そんな面倒なことを」と思う人もいるだろう。しかし以前は、SNSはおろか電子メールだって存在しなかった。私が社会に出たころは、一人一台もパソコンなんて支給されていない。営業は名刺フォルダーと固定電話、そしてメモ帳でお客様と連絡を取り合ったものだ。

どんどん時代は変わっていく。コミュニケーション手法が変われば、コミュニケーションの中身も変わると受け止めよう。

もちろん、一方的に譲歩しなくてもいい。大切なことは対話を繰り返して歩み寄ることだ。世代を超えて協力すること。それができる組織だけが、これからの時代を生き残れるのである。それは、LINEなどのビジネスチャットに限ったことではない。

横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事