「10浪しても大学に行く価値はあるか?」 10浪東大、12浪関西学院、19浪九州大…「就職不利・人格歪む」否定的な声も、多浪経験者が浪人で得たもの

10浪しても大学に行く価値はあるか?
「10浪しても大学に行く価値はあるか」
皆さんはこうした質問をされたとき、どう思われますか。
きっと、アンケートを取ろうものなら、8~9割の人が否定的な回答をするのではないかと思います。浪人には一般的には否定的な意見が多いと思います。多くの年数を受験勉強に捧げた“多浪”であればなおさらでしょう。
「結婚できなくなる」「人格が歪む」「就職できない」など、さまざまな否定的な意見が寄せられるのではないでしょうか。
ですが、否定的な印象を持つ多くの人は、実際に10年を超える浪人を経験した人には、会ったことがなく、話を聞いたことがないのではないかと思います。
私は今までに100人以上の浪人経験者に会い、お話を伺ってきましたが、実際に10年以上の浪人を経験している方の多くは、浪人という決断自体は、後悔していないというのです。
株式会社カルぺ・ディエムが浪人経験者を対象にとったデータにも、「81%の人は浪人を後悔していない」という結果があります。
否定的に見られ、近年さらに回避傾向が高まっている浪人ですが、そんなに浪人は悪いことなのでしょうか。経験した本人たちは、何かしら得るものがあったのではないでしょうか。それを知るためにも、実際に10浪を超える3人の“大型浪人”の事例を紹介していきたいと思います。
最初に紹介するのは、10浪で東京大学の理科1類に合格した男性です。
彼は、大阪府で高卒の両親のもと生まれますが、小学校3年生のときに父親がギャンブルで作った借金が理由で両親が離婚し、義父と再婚するまでの5~6年間は女手一つで育ててもらいます。
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