「10浪しても大学に行く価値はあるか?」 10浪東大、12浪関西学院、19浪九州大…「就職不利・人格歪む」否定的な声も、多浪経験者が浪人で得たもの
「ハングリー精神を持て」と育てられた彼は、同世代に比べて発達が遅く、小学3年生のときの成績は、35人中ビリから2~3番目。
背も低く、不器用であることをなじられて、いじめられていた彼は、珠算塾に入ったことがきっかけで勉強に力を入れるようになり、中学に入ってからは人の何倍もの時間を使って勉強に打ち込みました。
地方の私立進学校に合格してからも、ほぼ3年間を学校の図書館で勉強し続けて、理系クラスで20/200番に入るも、センター試験で失敗し、周囲に無謀と言われた東大理1を受験するも落ちてしまいました。
「世の中では、1年に東大に3000人受かっている。そんなにできている人が同世代にいるので、挫折したくなかった」
そう語る彼は、猛勉強を続け、1浪目も東大に出願するも失敗。2浪目からは仮面浪人をはじめ、大学4年生になる5浪目までに3回受験するも、すべて東大不合格に終わりました。
しかし、社会に出てからも挑戦を続け、ついに10浪で東大に合格します。
将来に希望が見えた
「合格して嬉しいと感じるよりは、将来に希望が見えました。『やればできるんだな』と思えるようになり、自分の意思で、自分の信念に基づいて行動できるようになりました」
浪人してよかったことを「成功体験が自信になった」と語る彼は、浪人を通して、人生を生きていく上で必要な確かな自己肯定感を育んだように思えました。
次に紹介するのは、12浪で関西学院大学に合格した男性です。
関西の難関私大群、「関関同立」への進学を目指していた彼は、2浪で合格が叶わず、一度追手門学院大学に進学します。しかし、関関同立に行くのを諦めきれなかった彼は予備校のテキストを下宿先に持っていき、参考書を買ったり、模試を受けたりして仮面浪人をしていました。
やる気になっては心が折れて、を繰り返していた彼は、大学3年生になる頃にはほぼ大学にも行けなくなり、4年生のときには大学を退学して岡山に戻ることになります。
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