「10浪しても大学に行く価値はあるか?」 10浪東大、12浪関西学院、19浪九州大…「就職不利・人格歪む」否定的な声も、多浪経験者が浪人で得たもの

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現役での受験を失敗し、家賃1万5000円・4畳半の物件で生活を始めた彼は、「大学に行きたいという夢はあったため」代々木ゼミナールで浪人。しかし、毎年さまざまなアルバイトを続けながら受験を続け、共通一次試験とセンター試験は計20回、東大は2浪目から18回受験しました。

それでも彼はマイペースでのんびり屋さんの性格がよかったためか、メンタルが落ち込んだり、人生が嫌になったりすることもなく浪人生活を続けられました。勉強が嫌いになったことも、1回もないそうです。

「『そんな長い間勉強して、嫌にならないの?』とよく言われました。たしかに毎年、受験に失敗したそのときだけは落ち込んでいましたが、自分の性格的にすぐ気持ちを切り替えられるのがいい点でした」

どんなに失敗しても立ち上がれる

現在は、集団授業の塾で非常勤講師として勤務している彼は、浪人してよかったことについて、「どんなに失敗しても立ち上がれることを生徒たちに伝えられること」と話します。

「私は人がしない経験をいっぱいしてきたのですが、今、好きなことをやって、最低限食べていけるだけの生活ができていますし、浪人時代の経験を子どもたちに伝えられるので、ありがたいなと感じます。子どもたちにも、もし多浪しても、不本意な大学に進んでも、その後自分次第でいくらでもチャンスがあるよ、と伝えています」

浪人の経験で得たことを、教える経験で還元している彼は、人が大きなマイナスだと考える19年の経験を、持ち前の前向きな思考でプラスに捉え、生徒たちに届けることができていました。

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濱井 正吾 教育系ライター

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はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

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