「10浪しても大学に行く価値はあるか?」 10浪東大、12浪関西学院、19浪九州大…「就職不利・人格歪む」否定的な声も、多浪経験者が浪人で得たもの
勉強を続けながらも、働かないと生きていけないために書店でパートタイム勤務を始めた当時24歳の彼は「自分は夢に敗れた側の人間だと思っていた」と語ります。
「毎年、春になって進学する学生を見る度、『自分はこの人たちみたいになれなかった』と気が滅入りました」
それでも、漫画『ドラゴン桜』とアイドル「モーニング娘。」に生きる元気をもらっていた彼は、『ドラゴン桜』の作中に小学校の勉強に戻る重要性を説く場面があったことがきっかけで、自分もそれを真似してみようと思い、3年間、図書館でアルファベットや動詞について書いてある本や、算数の本などを読んで勉強を続けました。
10浪目には、ネットを通してやりとりを続けていた「モーニング娘。」のコンサート会場で会った方が脳性麻痺を持っている方だったために、臨床心理の勉強をしたいと思い「大学に行く」ことへの目的意識が確固たるものへと変わります。
11浪目、約10年ぶりに予備校に戻った彼は、10年間到達できなかった偏差値50の壁を突破。12浪目には、偏差値を50台後半まで上げ、ついに関西学院大学の人間福祉学部に進学することができ、関関同立に進学するという夢を叶えることができました。障害者の身体の特性や法律、生きづらさなどを熱心に学んだ彼はその後、福祉職の生活支援の仕事に就きました。
今までの人生が報われた
「関西学院大学に合格したとき、今までの人生が報われた気がして、いろんな気持ちがないまぜになった」と語る彼は、浪人してよかったことを「(嫌なことから逃げ続けていた)自分の人生を認められるようになった」と語ります。
「夢を持ち続けられたから頑張れました。ずっと関関同立に行きたいという気持ちが残っていたから、それが原動力になったんです」
浪人を通して、自信を持って目標だった仕事を頑張る彼からは、夢を諦めない大切さを学べました。
最後に紹介する男性は、どこかに進学や就職をせず、アルバイトで生計を立てながら純粋に19浪を経験した方です。
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