くら寿司「1000円ホールケーキ」大反響も納得の訳 サイズ感、カバー、提供スピード…すべてに工夫が!
また、2030年に向けた目標では、海外店舗を400軒に増やすことも掲げている。
現在は中国・上海に3軒、台湾に59軒、アメリカで70軒を経営。それらの国では、日本で回転寿司が広まったときのように「寿司が高速で流れる」「ベルトコンベアで回ってくる」という仕組み自体が「カルチャー」として喜ばれているそうだ。ゲストには、「回転寿司は流れているお寿司をとらないとダメでしょ。私は注文は一切しない」という人もいるのだとか。
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メニューやサービスについては、アジアは基本同じだが、アメリカではローカライズを進めているという。ロール寿司を増やしたり、テーブル会計やチップの文化は現地に倣ったりと、文化的な違いに柔軟に対応している。
米国進出で、くら寿司だけが成功している理由
ちなみに、2009年から進出したアメリカでは現状、くら寿司だけが回転寿司店として成功を収めている。
理由は、アメリカが多民族国家であり、州をまたぐと「国が変わる」レベルで文化が異なることにあるそうだ。つまり、認知に時間がかかるのだ。ニューヨークやロサンゼルスで回転寿司が知られていても、「まったく回転寿司になじみがない」州も多い。そのためくら寿司も、黒字化までに8年を要した。
しかし、同業他社がいつ追随してくるかはわからない。「主要都市に集中して出店して、ビール=サッポロと認識されているように、回転寿司=くら寿司といった存在まで根付かせたい」と辻さん。
そのためには、認知を広げることが何よりも重要だと考えている。インバウンドに向けた「グローバル旗艦店」も国内に開業しており、まずは日本で利用して品質や味を認知し、自国での来店動機につなげてもらおうという計画も遂行している。
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