くら寿司「1000円ホールケーキ」大反響も納得の訳 サイズ感、カバー、提供スピード…すべてに工夫が!

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、提供スピードも難題だった。

筆者がタッチパネルで注文した際、ホールケーキは約5分程度でやってきた。あまりの速さに作り置きをしているのだと思ったが、違った。売り上げ予測に合わせ、スポンジにクリームを挟んだ「土台」は用意するものの、トップのクリームやフルーツは注文が入ってから盛り付けるそうだ。

レーンを回る不透明のケース
ホールケーキは不透明のケースにすっぽり収まっている(写真提供:くら寿司)

さらにプリンとちらし寿司は、一から作っているという。パティスリーではなく回転寿司店の厨房でこれを実現するのは、相当大変に違いない。

ホールケーキ
注文が入ってからフルーツを盛り付け、クリームを絞って提供される(写真提供:くら寿司)

「プレゼントシステムの金額は、プリンが800円、ホールケーキとちらし寿司が1000円と、平均的な客単価と変わらない価格です。めちゃくちゃ売れるものではないので可能になっています」と広報部 辻明宏さんは解説する。

回転寿司は「ゆっくり楽しむ」空間に

加えて、このような「客単価とほぼ変わらない商品」が登場する背景には、くら寿司がエンタメ性を追求しているだけではない、業界全体の在り方の変化があるという。

ここ10年で回転寿司は、「安価な均一価格で提供し、回転数を上げて儲けるファーストフード」ではなく、「ゆっくり楽しむレストラン」に変わってきているそうだ。

店内風景
個々にくつろげるスペースが確保された店内(写真提供:くら寿司)

たしかに、最近はどの回転寿司チェーンでも、「回らない寿司店」にあるような「高級ネタ」が並ぶようになった。くら寿司の場合、辻さんが入社した20年前は全メニューで約40種だったが、今では約160種に増加した。まさにレストラン並みの数だ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事