この品揃えの充実は、滞在を長時間にする変化ももたらしている。
ゲストがメニューを選ぶ時間が増えると共に、「帰りにスイーツを買って帰る」「お茶をする」といった需要も取り込んでいるためだ。

くら寿司も、生ズワイガニをはじめ、丼物や麺類、さらにはソフトクリームやたい焼きまで、幅広いメニューを展開。「すべてがくら寿司内で完結する」体制を目指し、客単価を上げる取り組みを進めている。
「プレゼントシステム」も、こういった背景があるからこそ生まれたものだった。「かつて、気軽に楽しめる存在だった回転寿司は、今や子どもの誕生日や記念日など、ハレの日需要をも満たすポテンシャルを持つ存在になっています」と辻さんは話す。
ゲストの利用シーンやニーズが変わるなかで、これまでにないサービスの導入が求められた結果だ。ただし、これまで通り「気軽に楽しめる」回転寿司ならではのニーズも取りこぼさない店づくりを心がけているという。

都市部とロードサイド、2つの店舗戦略
一方で、出店戦略にも大きな変化が起きている。かつてはロードサイドが中心だったが、コロナ禍で都市部の優良物件が空き、都会人のニーズも高まったため、積極的に都市部への出店を進めているのだ。
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