「毎日が退屈」現代人に僧侶が勧める考え方のコツ 「ありがたい」の回数が"人生の質"を決める

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退屈な人
現代社会では、「ありがたさ」を感じる機会が失われつつあります(写真:Graphs / PIXTA)
あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。
新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。
本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

「ありがたさ」を知ると世界が変わる

ありがたい。それは幸せの言葉です。

人生において何度「ありがたい」と言って感謝できるか。その回数が人生の質を決めるといっても過言ではありません。

『考えすぎないコツ:「気づいて」「ほどいて」「放っておく」人生を軽くするシンプルな本質』書影
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有り難いとは、有ることが難しいということ。私たちの生が、まさにそうでしょう。

考えてみれば、この世に生まれてきたこと自体がひとつの奇跡です。ご先祖様が1人でも欠けていれば、私たちは生を受けることができなかったのですから。さらには、今に至るまで災難を逃れて生きのび、仏教の教えに出会ってもいる。

それがどれだけ、有り難いことか。お釈迦様は、この奇跡を次のように例えています。

100年に一度だけ海面に浮かんで息をする盲目の亀がいる。その盲亀が海面に顔を出すとき、ちょうど大海原を漂ってきた穴の空いた流木と出会い、その穴に頭を入れることと同じぐらいむずかしいことなのだ

このありがたさに気がついたとき、世界の見え方が変わります

私たちは決して1人で生きてきたのではない。私たちは多くの人々とのご縁や、自然からの恵みのなかによって「生かされている」のだと知るのです。

たとえ、人間関係によって傷ついた時も、何もかも思うようにいかない時も、今こうして生きていること以上の奇跡はない

それがわかると、自分を取り巻くあらゆる出来事に感謝できる心が育ちます。「足りない」ものがなくなり、心が満たされていきます。

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