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全員「元会社員」ケーキ職人の平均年齢は75歳 1978年創業の味を守り続ける中目黒「ヨハン」

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「桜の時期が忙しいっていう話を聞いていて、3月の中旬から本当に忙しかったんです。僕は初めての体験で、もう正直言ってヘトヘトなんですよ。みんな僕より年上なのに元気いっぱいで、すごいなと思いました」

仕事に慣れないうちは、用具を指定の位置に戻さなかったりして、先輩たちに怒られることもあった。増田さんは「この歳になって怒られるって、かみさんぐらいなんでね。ある意味新鮮です」と苦笑する。

娘の勧めで入社した「元事業部長」

ヨハンの職人は、最初に団子作りを教わりながら、ケーキの底にあたる「底板」と、ケーキの周囲を固める「帯」の作り方を学ぶ。その後、翌日に使うチーズなどの材料を揃える役目を与えられ、次にチーズケーキの上に載せるプルプルした食感のブルーベリー作りを担当、最後に「焼き」を担う。2日勤務したら1日休日というシフトで、焼きまでは少なくとも3年はかかるそうだ。

キッチンで使う道具の多くは、職人たちのハンドメイド。また、職人たちはローテーションで各工程の仕事を覚え、誰かひとりに依存しない仕組みになっており、作業の手順も効率的に定められている。これは、創業者の故・和田利一郎さんをはじめ、多くの職人がメーカー出身で、現場でのモノづくりを経験していたことが影響している。

「子どもや家内から『おいしい!』と言われるとうれしい」とほほ笑む真崎さん(撮影:佐々木仁)

「仕組みや道具を見て、感動しましたね。やっぱりメーカーにいた人たちだから、作るモノは違っても考え方がいいんだなって。ロジック的に見て、よく考えられています」と語るのは、1951年生まれの横浜出身、73歳の真崎請造さん。父親が兄弟と食品用包装フィルムなどを作る会社を経営していたこともあり、子どもの頃から工場に出入りしていたという真崎さんは、大学を出て機械メーカーのアマノに入社。駐車場のパーキングシステムを販売する事業部の部長まで務めた後、60歳の時に子会社に異動、63歳で役職定年した。65歳からヨハンで働くことになったのは、娘さんの一言がきっかけだった。

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