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牛丼の松屋が「舎鈴」「六厘舎」を傘下に収めラーメン業態を本格開拓。吉野家に続いて、脱「牛丼一本足」へ

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都内の松屋店舗。この牛丼業態の比率は全社売上高の8割を占める(写真:編集部撮影)

牛丼チェーン大手「松屋」を運営する松屋フーズホールディングス(以下、松屋フーズ)が、成長へのアクセルを踏んだ。

同社は12月15日、つけ麺「舎鈴」などを運営する松富士を買収すると発表した。買収金額は91億円。同業の飲食チェーンのM&Aは初めてで、金額も過去最大となる。

松富士は埼玉県を中心とした関東地方に「舎鈴」「六厘舎」などつけ麺・ラーメン店を120店舗運営している(11月末時点)。2025年6月期の売上高は100億円、営業利益は4億円だった。

2期前は売上高60億円台だったが、年間10~15店舗の出店を実施し、2年間で5割ほど売上高を伸ばしてきた。出店ペースは早く目下拡大期にあり、今後の成長も期待できる。

牛丼やとんかつなどを主力とする松屋フーズによるラーメンチェーン店の買収。一見唐突に見えるが、実は同社は足元でラーメン業態に力を注ぎ始めていた。「松軒中華食堂」と、今年7月に出店したラーメン「松太郎」の2ブランドで11店舗(11月末)展開している。さらに、10月には製麺企業を買収。麺類の製造能力を増強し、ラーメン業態の店舗増加に備えていた。

牛丼一本足打法からの脱却

牛丼チェーン全体の課題として、収益を牛丼のみに頼る事業構造からの脱却がある。同業他社と比べてみると、はま寿司の成長やM&Aで業容拡大したゼンショーHDの業績に占めるすき家の割合は売上高の2割程度と低い。だが、松屋フーズは牛丼の割合が売上高の8割近くを占めている。

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