なぜ都立新宿山吹高校は「不登校経験者」や「尖った生徒」が集まるのか?マイペースで学べる《単位制・無学年制》、《同調圧力がない校風》の魅力

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新宿山吹外観
不登校経験者に人気がある都立新宿山吹高校。近年は“尖った生徒”も増えているという(写真:編集部撮影)

定時制課程と通信課程を有する、都立新宿山吹高等学校(以下、新宿山吹高校)。都立高初の「単位制」かつ都立高唯一の「無学年制」の高校として知られ、不登校経験者など多様な背景を持つ生徒を受け入れる高校としても人気を集めている。近年では都内進学校からの転学・編入学も多いという。そんな同校の人気の秘密に迫った。

都立高初の「単位制」、唯一の「無学年制」

東京メトロの神楽坂駅や江戸川橋駅から徒歩10分ほどの場所にある新宿山吹高校。大きなケヤキが並ぶ早大通りに面した校舎は、まるでオフィスビルのようだ。

一般的な公立高校と異なるのは、外観だけではない。「単位制・無学年制」が同校の大きな特徴だ。そのため、生徒は自分で授業を選択し、自分だけの時間割を作って学ぶ。1年生相当の生徒と3年生相当の生徒が同じ教室で授業を受けることもあるし、進級や留年もない。

教室には学年やクラスがわかる表示はなく、「現代の国語」「物理基礎」「情報セキュリティ」といった授業名が書かれており、生徒たちは自分が履修する授業を受けるために教室を移動する。どの教室も落ち着いており、生徒の真剣さが伝わってきた。

副校長の石井健一氏は、「本校は目的意識がはっきりしている生徒が多く、学ぶ意欲が高いですね。最長で6年間は籍を置くことができますが、多くの生徒が3〜4年で卒業していきます」と話す。

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