なぜ都立新宿山吹高校は「不登校経験者」や「尖った生徒」が集まるのか?マイペースで学べる《単位制・無学年制》、《同調圧力がない校風》の魅力
新宿山吹高校が開校したのは1991年のこと。開校時に同校の教員として着任していたという統括校長の永浜裕之氏は、開校の背景についてこう語る。
「1980年代、全国の高校中退者は公・私立合わせて毎年約10万人を超え、彼らの受け皿として、過去に取得した単位も総単位数に加算できる単位制高校が設置されるようになりました。本校もその流れの中、昼夜間の定時制課程と通信制課程を併設する高校として開校しました。単位制の高校としては都立高初、全国では4番目でしたが、1000人規模の学校としては先駆けといえます。また、無学年制を採用する都立高は今も本校だけです」
増える「不登校経験者」と「新卒者」
同校の定時制課程には「普通科」と、都立高では唯一の「情報科」がある。普通科は4部制で、情報科は2部と4部で学ぶが、ほかの部の授業も受けることが可能だ。授業は1時間目(8:40〜)から12時間目(〜21:10)まで行われている。
通信制課程は、教科書等を使ってレポート学習に取り組む自宅学習が基本で、原則として毎週土曜日にスクーリングのため登校する。土曜に限らずいつでも学校に来てよいことになっており、平日に登校して自習室で学んだり、ラウンジで友人と話したりする生徒の姿も見られるという。
定時制も通信制も、共通して自分のペースで学ぶことができるほか、校則や制服はなく、行事への参加も強制ではない。そんな自由な校風に惹かれる生徒は多いのだろう。近年の入試の倍率は、定時制・通信制ともに2倍を超える年もあり、通信制においては9月転学・編入学試験で5倍を超える年もあるなど、人気が高まっている。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら