なぜ都立新宿山吹高校は「不登校経験者」や「尖った生徒」が集まるのか?マイペースで学べる《単位制・無学年制》、《同調圧力がない校風》の魅力
「学校として不登校経験の有無についてアンケートを取ることはしていませんが、定時制・通信制ともに不登校経験者が増えていると感じます。また、開校当時は中退経験者が8割程度、中学を卒業してすぐの新卒者が2割程度でしたが、近年は新卒者が急増しています。
そのため、通信制については2025年4月実施の入試から、これまでの50名から80名に増やしました。また、『4月前に進路を決めて安心したい』というニーズに応え、2026年度は2月にも入試を実施します」(永浜氏)
不登校経験者をはじめ多様な生徒が集まる同校では、サポート体制を充実させている。担任34名のほか、分掌専任教員15名、実習助手2名、養護教諭2名を配置。さらに定時制の相談室にも正規教員2名が相談室担当として常駐しており、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカー、特別支援教育心理士のほか、心理職を目指す大学院生も生徒と接する。
通信制の生徒も、スクーリングの日はNPO法人のスタッフに学習相談ができるほか、予約すればスクールカウンセラーのカウンセリングやユースソーシャルワーカーへの相談も可能だ。
生徒層の半数は「尖った生徒」たち
「高校1年生で不適応を起こした優秀な子たちが、9月の入学者選抜にたくさん集まってくる」(永浜氏)といい、不登校経験者だけでなく、「自分で自由に学びをデザインし、空いた時間をやりたいことやより高度な学びに充てたい」と考える“尖った生徒”も増えているという。
「あくまで肌感覚ですが、今の本校の生徒層は不登校経験者と尖った子が半々くらいですね。本校に在学中から東京大学の研究室で研究を行っている生徒、文学賞を受賞する生徒などさまざまです。情報オリンピックや数学オリンピックで高い成果を上げた生徒や、海外のバレエ学校に留学している生徒もいます」(永浜氏)
近年は都立両国高校や都立新宿高校、都立駒場高校、桜蔭高校など、進学校からの転学・編入学も増えているそうだ。



















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