「仕事が早い」に価値はない。AI時代の「優秀さ」の定義はどう変化する?

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働くロボットの手
AI時代に、人間に残る「仕事」とは何でしょうか(写真:チキタカ(tiquitaca)/PIXTA)
「情報を素早く処理する」「ミスなく資料を作成する」「指示を忠実に実行する」
つい最近まで、これらは「仕事ができる人」の条件だった。しかし、生成AIが知的生産のコストを限りなくゼロに近づけた今、この「既存の優秀さ」にしがみつくことこそが、最大のリスクになりつつある。
新刊『AI時代に仕事と呼べるもの』の著者・三浦慶介氏は、私たちが直面しているのは単なるツールの進化ではなく、「仕事の定義そのものの書き換え」であると指摘する。
本記事では、同書から一部抜粋・再構成し、ビジネスパーソンが直視すべき「仕事の構造変化」について解説する。

業務を奪われた人間に残された「本当の仕事」

「AIに仕事を奪われる」という言葉には、どこか悲壮感が漂います。しかし、私はこの状況をむしろチャンスと捉えています。なぜなら人間にしかできない本質的な仕事に集中し、より大きな価値を生み出せるタイミングが訪れたからです。

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AIが得意とするのは、生成や実行といった、中間プロセスの高速化と高度化です。たとえば、コンテンツ生成、数値処理、資料の整形、システム構築、病気の画像診断など、一連の「デジタルで完結する業務」は、すでにAIのほうが高速かつ高精度でこなせます。

さらに、デジタルで完結しないと思われていた業務もAIに代替され始めています。カスタマーサポートの電話応対をAIが担うケースも出てきていますし、採用面接を代行するAI面接官も登場しています。ファミリーレストランでは配膳ロボットがAIによって稼働し、人間の代わりを務めています。

これから先、より圧倒的な速さでAIによる代替が広がることは間違いありません。では、そのとき人間に残る「仕事」とは何でしょうか。

それは、「仕事の目的を定めること」と「何を実現したいかを決めること」です

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