「仕事が早い」に価値はない。AI時代の「優秀さ」の定義はどう変化する?

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これからの時代、AIを味方につけて飛躍的に成果を出す人と、AIにおびえて仕事を失っていく人とでは、キャリアの景色がまったく異なります。

その違いは能力や性格に起因するというより、「どの立ち位置で仕事をするか」という構造上の問題です。スタンスの問題と言ってもよいでしょう。

「指示待ち」はAIと同じ土俵で戦うことになる

「自分の仕事はAIのせいで無くなるのではないか」

そのように、AIを脅威に感じている人には共通点があります。それは、自分で仕事の目的や成果基準を決めていないことです

たとえば、

・上司の指示をそのまま資料にまとめる

・求められた数字を求められた形でだけ提出する

・フォーマットどおりにレポートを書く

このように「中間プロセスの実行役」に徹する働き方は、まさにAIと同じポジションに立つということになります。「自分は仕事が早いし器用だから、AIと張り合える」と思う方もいるかもしれません。しかし残念ながら、その発想はすでに通用しません。

AIの知能は多くの人間を上回り、情報量は桁違いです。法律・会計・医療などの専門スキルでさえ、AIに模倣・学習される対象となっています。今後はリアルな世界の作業も、センサーやロボットを通じてAIが担うようになるでしょう。

もちろん、AIがスキルを模倣・学習することへの倫理的な問題は理解しています。私自身、それを手放しで良いことだと考えているわけではありません。しかし現実として、AI学習を完全に防ぐことは難しく、AIは自律的に学習を続けるでしょう。

AIと同じ土俵で競えば、人間は敗北します。実際、大手コンサルティング会社やIT企業を中心に、新卒採用の縮小や大量解雇が始まっています。システム開発も、AIによってプログラマの仕事は代替されつつあります。

こうした流れは単なる業務効率化ではなく、「構造転換」の表れです。

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