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全員「元会社員」ケーキ職人の平均年齢は75歳 1978年創業の味を守り続ける中目黒「ヨハン」

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自身の26年間を振り返り、「(ヨハンに入社して)よかったと思います。働いてなかったら、どうなってたか」という高野さんは、「できるだけ長く働きたいね。あんまり足を引っ張っちゃうようだとまずいから、それだけは気をつけようかな」と穏やかにほほ笑んだ。

体力づくりで12キロ歩く86歳

高野さんと同じくヨハン最年長、今年86歳になるのが小林隆吉さん。長野出身で、高校卒業後、1年ほど実家の農業を手伝った後に上京し、義兄が働いていた住友ベークライトに入社した。60歳の定年まで資材調達や品質保証、総務などいくつかの部署に勤めた。

「定年退職した時、ヨハンで働いていた先輩から声をかけられました。会社でモノづくりをしたこともないし、家ではほとんど料理をしたこともない、チーズケーキを作ったこともなかったけど、当時、ヨハンで働いていた7人の職人全員が住友ベークライト出身で、3人が顔見知りでね。不安はなかったです」

ヨハンで働く職人は、子どもの頃から手先が器用だったという人が多いが、小林さんもそのひとり。入社から3年経った頃には、一人前になった。

散歩会で12キロ歩く健脚を誇る小林さん(筆者撮影)

大量の生地を練るのは力仕事で、250度を超える窯で次々とケーキを焼き上げるキッチンは、冬でも半袖で十分なほどに暑い。品質管理も厳格で、少しでも型が崩れたものは売り物にならず、気が抜けない。

ヨハンの仕事は決して楽ではないため、職場では「具合が悪かったり、病院に行ったりする時は最優先で休む」ことが共有されている。しかし、小林さんは26年間、長く病欠することもなくキッチンに立ち続けてきた。「仕事を辞めたいと思ったことは一度もない」と語る86歳を支えるのは、驚くほどの体力だ。

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