留学で子どもの生涯年収が「数億円」増える? 元トレーダーが説く「未来への投資」としての教育費の考え方 《円安でも海外留学は不可能ではない》

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「教育費」にフォーカスするイメージ
海外留学を検討する際は、費用よりも「卒業後にどれだけ稼げるか」という未来のキャッシュフローに注目を(写真:Yotsuba / PIXTA)
子どもの海外留学を選択肢に入れたいけれど「円安の今は無理」と諦めていませんか。しかし、教育費はただの支出ではなく投資。自身も奨学金を活用して中学から大学までの留学を経験し、外資系投資銀行でトレーダーとして働いてきた金融のプロである筆者は「教育は人生のキャッシュフローを大きく変える資産」と断言します。
目先の費用ではなく卒業後のリターンで考える教育投資の本質や、アメリカ留学で学費を下げる仕組みについてお伝えします。為替に惑わされず、戦略をもって子どもの未来に投資する方法を探っていきましょう。

「円安で海外留学なんて無理」と諦めるのは早い

私はずっと、「教育と歯は、人生で最高の投資だ」と話してきました。歯を治せば一生よく噛めるし、教育は一生分の選択肢を増やしてくれる。どちらも奪われない資産です。ブランドバッグをなくしても、学び続ける力と噛む力はなくなりません。

ただ最近よく聞くのが、「ドル円156円ですよね? 海外留学なんて現実的じゃない」という声。たしかに、アメリカの大学4年間の総額は2000万〜3000万円という時代。

数字だけ見れば無理と感じるのも当然です。ただ、費用だけで判断してしまうと大事な視点を見落とします。教育は支出ではなく未来への投資。目先のコストより、そこから先に広がる価値で考えることが大切です。

この価値の視点を私が大切にしている背景には、自身の経験があります。中学受験で第1志望の御三家に不合格となり、反動で14歳からイギリスへ留学しました。異文化の中で過ごすうちに、環境が変わると人の考え方はこんなに広がるのかと実感したことを覚えています。

当時のポンドは今以上に高く、母はシングルで家計に余裕があったわけではありません。そこで私は、より現実的な通貨の国を自分で探し、カナダへ。奨学金をかき集めながら大学まで卒業しました。

苦労は多かったものの、その経験がなければ今のキャリアも価値観もなかったと思います。一度広がった世界は、もう元の大きさには戻らない。その感覚を若い頃に体で理解できたことは、大きな財産でした。

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