留学で子どもの生涯年収が「数億円」増える? 元トレーダーが説く「未来への投資」としての教育費の考え方 《円安でも海外留学は不可能ではない》

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だからこそ、私も息子を海外の教育課程に送り出し、娘とはイギリスやカナダで暮らした経験があります。留学は楽しいことばかりではありませんが、視野や挑戦力、人とのつながりは確かな人的資本として積み上がっていきます。

完璧な環境を待つのではなく、できる範囲の工夫と戦略で踏み出すほうが、未来の選択肢は増えると感じています。

私自身の人生を振り返っても、留学は世界を広げる最短ルートだったと思います。この世界が広がるという感覚は、実は数字にも表れます。教育がどれほど人生のキャッシュフローを変えるのか。ここからは現実的な話をしていきます。

教育は“人生のキャッシュフローを変える資産”

日本とアメリカの大学では、まず学費の桁が違います。日本の私立大学は4年間で400万〜500万円。一方アメリカは2000万〜3000万円。この時点で勝負にならないと思うかもしれません。

しかし投資に置き換えて考えてみると、判断材料は費用ではなくリターン。本当に比較すべきは卒業後にどれだけ稼げるかという未来のキャッシュフローです。

日本の新卒初任給は年収300万円台後半〜400万円台。一流企業でも450万円前後が一般的です。つまり、日本で大学に500万円投じても、スタート地点は年収400万円台。

ところがアメリカは、まったく違う風景が広がります。

グーグル、メタ、マイクロソフトといったビッグテックの新卒は、基本給+ボーナス+株式報酬で年収15万〜20万ドル(2300万〜3100万円)。ビッグテックでなくても、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、デロイト、ファイザー、テスラなどの有名企業で8万〜12万ドル(1200万〜1800万円)が一般的です。

私が外資系投資銀行で働き始めた2000年代前半でも、この水準に近い世界でした。とはいえ、海外で働くことだけが正解というわけではありません。

日本には日本のよさがあり、日本法人や日系企業でキャリアを積む道も十分に魅力的です。ただ、海外での経験があると、日本で働く場合でも年収の伸び方や任される仕事の幅が明らかに変わる、という点は強調しておきたいところです。

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