「外で遊ぶこと」こそが子どもの世界を広げる 医師も宇宙研究者も勧める「好奇心の引き出し方」

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井筒:はい。今、子どもたちに宇宙のことを教える活動をしていて感じるのが、子どもはもともと好奇心を持っているので、むしろ大人こそ、好奇心を持つことが大事なんじゃないかなと。子どもが興味を持ったものに、親も興味を持ってあげる。そうやって大人が外の世界に目を向けることで、子どもの世界はもっと広がるはずです。

子どもたち
(井筒氏提供)

宇宙人の特性は「目の位置」でわかる?

井筒:窪田先生の本を読んで、目のメカニズムの面白さを知ったのですが、ほかにも「約40億年前に生物が誕生して、目を持つようになってからはまだ5億年しか経っていない」という話にも驚きました。そう考えると、生物が目を持った歴史は意外と浅いですよね。

窪田:目がなかった時代は、生物はただ漂っているだけのものでした。目ができたことで、歩いたり、走ったり、獲物を捕まえたりすることができるようになった。目の登場が、人間をはじめとする地球上の生物を一気に進化させたのです。

井筒:「親も好奇心を持つことが大事」という話でいうと、例えば子どもと一緒に動物園に行って、動物の目に注目してみると楽しいと思います。

ライオンやチーターなどの肉食動物は、獲物を追いかけるために目が正面を向いていますが、ウサギや馬などの草食動物は目が横を向いている。追いかける動物と、追いかけられる動物で目の付き方が違いますよね。

窪田:たしかに、目に注目して動物を見て回ると、親子で新しい発見がありそうです。

井筒:これは誰しも考えたことがあると思いますが、もし宇宙人が地球に来たとしたら……。その宇宙人の目が正面を向いていたら、地球人は狙われるかもしれない(笑)。

窪田:目を見れば、宇宙人の特性も判断できそうですね(笑)。

井筒:SNSやゲームのようなオンラインの世界はすごく魅力的で、子どもたちが家にこもって夢中になってしまう気持ちもわかります。だけど、それと同じくらい外の世界は面白い。私は『近視は病気です』を読んでから、これまでよりも頻繁に外に出て、遠くを見るようになったんです。

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