
近視有病率が高まっている子どもたちを取り巻く環境に今、どんな変化が起き、どんな対策が必要なのか。放課後と学童問題について話し合います(平岩氏<左>の写真は本人提供、窪田氏の写真は撮影:梅谷 秀司)
昨年、学童保育(放課後児童クラブ)の待機児童数は速報値時点で過去最多を記録した。保育園の待機児童問題が解決に向かっている一方で、立ちふさがる「小1の壁」「小3の壁」には対策が追いついていないのが現状だ。その問題の解決を目指し、学校施設を活用したアフタースクールを運営しているのが、放課後NPOアフタースクール。代表理事を務めるのは平岩国泰氏である。
また、近視の子どもの増加も過去最多に達している。今や小中学生の2人に1人は近視になる時代。歯止めがきかないこの状況に警鐘を鳴らし続けているのが、眼科医の窪田良氏である。
それぞれの立場から子どもの問題に取り組む両氏に、子どもたちを取り巻く環境に今、どんな変化が起きているのか、どんな対策が必要なのかを聞いた。第1回は、学童問題と放課後NPOアフタースクールの活動について話し合う。
子どもたちの放課後から消えた“3つの間”
窪田:眼科医として30年以上、さまざまな眼疾患と向き合ってきました。その結果、失明につながるあらゆる眼疾患のリスクを跳ね上げる近視を防ぐことが、何よりも大切だと気づきました。
台湾でも成果の出た近視抑制策「1日2時間の小学校での外あそびや屋外活動」の大切さを訴え続けています。ですが、現代の日本では特に放課後、子どもたちが外遊びができる環境がないという声もよく聞きます。
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(出所)窪田氏提供
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