「小1の壁」と「小3の壁」をどう乗り越えるか 子どもの放課後から消えた3つの「間」とは?

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平岩:私たちの団体では、「日本中の放課後を、ゴールデンタイムに。」をミッションに掲げ、主な活動として学校施設を活用したアフタースクールを運営しています。学童は、共働き家庭の子どもしか利用できないなど厳しい条件がありますが、アフタースクールはそうした制限なく、「いつでも・誰でも・毎日」利用することができます。

窪田:近視抑制の観点からも、外遊びに費やせる放課後はゴールデンタイムです。そのゴールデンタイムをいつも行っている学校で過ごせるのはいいですね。

平岩:そうなんです。学校を使えば安全ですし、保護者の送り迎えもいりません。そもそも、せっかく学校には広々としたスペースがあるのに、それが使われないのはとてももったいないですよね。以前は公園が外遊びの場でしたが、公園にはボールを使えないなどの制約が多いこともあるので、子どもたちにとって学校の校庭は貴重な場だと感じます。

現在、私たちが運営するアフタースクールは1都3県を中心に21校で開校し、毎年のべ20万人ほどの子どもが参加してくれています。

窪田:今年、15周年を迎えられたと伺いました。

平岩:はい。子どもたちにとって放課後が楽しく豊かな時間になってほしいと思い、これまで活動を続けてきました。放課後NPOではアフタースクールのほかにも、企業と一緒に全国の子どもたちに体験機会をつくっていく活動や、さまざまな自治体の放課後を支援する活動、子どもたちの放課後の過ごし方の重要性を伝える啓発活動など、日本中の放課後を豊かにするためにさまざまな取り組みを行っています。

窪田良/慶応義塾大学医学部卒業。慶応大医学部客員教授、アメリカ・NASA HRP研究代表者、アメリカ・シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経てアメリカ・ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、アメリカ・FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている(撮影:梅谷秀司)

好きなことが見つかれば、子どもの自己肯定感は高まる

平岩:活動できるプログラムは、スポーツや音楽、お菓子作り、国際交流、遊び、ダンス……、まだまだあります。「〇〇がしたい」と子どもが選んで参加することを大切にしており、子どもたちは自分が好きなものや得意なことに出会うことができます。

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