「小1の壁」と「小3の壁」をどう乗り越えるか 子どもの放課後から消えた3つの「間」とは?

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平岩:そうですね。小学生の放課後の代表的な存在である学童保育では待機児童数が高止まりしており、子どもの居場所が足りていません。また学童保育は室内で過ごすことが中心で、外遊びできない施設も多くあり、放課後に子どもたちが外で遊ぶ姿をずいぶん見かけなくなってきています。

窪田:そうなのですね。平岩さんは「放課後NPOアフタースクール(以下、放課後NPO)」で、そうした問題の解決に取り組んでいらっしゃいますが、そもそもどんなきっかけで活動を始められたのですか?

平岩:自分に子どもができたことがきっかけでした。私の娘が生まれた20年前は、世間で「下校時の凶行」という記事の見出しになるような事件が立て続けに起きていて。警察白書のデータによると、子どもの犯罪の発生は14~18時に集中しています。

つまり、放課後の時間帯が最も危険とされていたのです。そこで、子どもが安全に過ごせる場所を提供したいと思ったことが、放課後NPOの立ち上げにつながっています。

窪田:私たちが子どもの頃とはだいぶ環境が変わってきていますよね。

平岩:そうなんです。放課後からは、「時間・空間・仲間」の“3つの間”がなくなったと言われています。とにかく今の子どもは習い事や塾などで忙しいですし、屋外を中心に自由に遊べる場所がない。そして1人で過ごす子どもが非常に増えています。

窪田:その状況では当然、近視抑制に効果のある外遊びの時間も減ってしまいますよね。

平岩:おっしゃる通りです。子どもの外遊びの時間は、ここ30年でほぼ半減している、というデータもあります。これはコロナ禍前の数字なので、現在はもっと減っていると感じています。

親の収入によって生じる、子どもの「体験格差」

平岩:共働き世帯の増加とともに、子どもが放課後に安全に過ごせる場所のニーズが急速に高まり、学童保育の利用が急増しました。学童の利用者は、ここ20年で100万人以上増加しています。

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