中国王朝「金」の皇帝・海陵王、その"異常すぎる"荒淫ぶり 妃だけで12人、母と娘や姉妹にも手を出し、妊娠中の侍女には…

金の後宮では何が起きていたのか
正史『金史』列伝第一・后妃上によると、金の初代と二代目の皇帝は、遊牧民族そのものだったので、妻たちにはまだ漢族王朝のような位階の称号はなかった。第3代の熙宗のとき、正夫人は皇后、側室は貴妃・賢妃・徳妃の位階に分かれたが、まだ簡素だ。
第4代の海陵王は好色で、後宮に多くの女性を入れた。皇后以下、元妃・姝妃(しゅひ)・恵妃・貴妃・賢妃・宸妃(しんぴ)・麗妃・淑妃・徳妃・昭妃・温妃・柔妃など十二の位階を定めた。
漢族王朝と同じ名称もあるが、女性の色香を強調する名称もある。「姝」はみめよい、「麗」は美しい、の意。漢語では、モチモチした肌をもつ女性を「温柔郷」と呼ぶが(日本では遊里の意にも使う)、「温妃」と「柔妃」はそれを連想させる。
実際、海陵王の無軌道な猟色ぶりは、常軌を逸していた。
海陵王(1122年〜1161年)の女真名はテクナイ(漢字では迪古乃)、漢名は「亮」である。「海陵王亮」や「完顔亮」とも呼ばれる。日本では、作家の駒田信二が歴史小説『私本・荒淫王伝(こういんおうでん)』で、海陵王の淫虐非道の人生を描いている。
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