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「外で遊ぶこと」こそが子どもの世界を広げる 医師も宇宙研究者も勧める「好奇心の引き出し方」

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  • 井筒 智彦 宇宙博士、東京大学 博士号(理学)
  • 窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
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窪田:それはうれしい。

「フェルメールの絵画」と「銀河」の意外なつながり

井筒:そうして空を見ていると、いろいろなことが気になってきて。「雲ってなんで落ちてこないんだろう」とか、「そもそも雲って何種類あるんだろう」とか、子どもの頃に考えていたような疑問がどんどん浮かんできました。

窪田:まさに好奇心が広がっていますね。

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井筒:はい。これは私の本(『東大宇宙博士が教える やわらか宇宙講座』)のコラムにも書いたのですが、フェルメールの絵の背景は曇り空が多いんですよ。

フェルメールが活躍した1600年代の地球は寒冷期にあり、雲が垂れこめていた時代だったと考えられています。実はその原因が、銀河に関係しているかもしれないという仮説があるんです。

窪田:どういうことですか?

井筒:ちょうどその時代、太陽には黒点がほとんど現れていませんでした。黒点は太陽の中でも磁場が強い場所で、そこから地球に向かって出るバリアが、宇宙に飛び交う高エネルギーの粒子から地球を守ってくれています。

しかし、太陽の黒点が少なく、磁場のバリアが弱まると、たくさんの粒子が地球に降り注ぎます。すると大気が電離し、雲の核となる種ができやすい。それによって雲が多くなり、寒冷化が進んだのではないかと言われています。

窪田:そんなつながりがあったのですね。

井筒:寒冷期には木の年輪が密に詰まるのですが、その時期の木を使って作られたのが、かの有名なバイオリン「ストラディヴァリウス」なんです。「風が吹けば桶屋が儲かる」のような話ですよね。

窪田:太陽の黒点の影響で地球では寒冷化が起こり、フェルメールの曇り空やストラディヴァリウスにもつながっていると。とても興味深いです。

井筒:雲に限らず、身の回りには不思議や謎で満ちあふれています。外の景色を眺めながら、好奇心をどんどん広げ、目の健康にも優しい時間を持てたらいいですね。

窪田:今日は、目のメカニズムから宇宙まで広がる壮大な話ができて楽しかったです。ありがとうございました!

(構成:安藤梢)

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