流行語が「死語」にならず世代を超えて定着する条件 「真逆」「夜ご飯」もかつては一般的ではなかった

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言語学者も知らない謎な日本語
「み」がつくのは形容詞だけではありません。「わかる」という動詞に「み」がついた「わかりみ」という語が若い世代のあいだで広まっています(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「やばい」や「それな」などを「若者言葉」と言いますが、新しく作られた言葉だけでなく、もともとあった言葉と違う意味で使う場合などさまざまで、ほかの世代には通じないことが多くあります。
新著『言語学者も知らない謎な日本語』は、「若者言葉」について、国立国語研究所教授の石黒圭さんが大学生の娘たちとの対話から得た学びの記録です。
本稿は、同書より一部抜粋、再構成のうえ3回にわたってお届けします。
第1回『「えぐい」「やばい」「すごい」で見る言葉の“浸透度” 全部ほぼ同じ意味だが“発展段階”が異なる

共感できる「わかりみ」!

:まだ5月なのに、最近はずいぶん暖かくなったなぁ。

長女:そうだね。

:この前、蚊の「プーン」という音を聞いて、ゾッとしたよ。湿気も感じるようになって、夏が来る前にバテてしまいそうだ。

長女:それめっちゃわかる。

:このまえはついにノースリーブで出かけてしまったよ。今の時期から日焼け対策しておかないとダメだし、気が重いな。

長女:わかりみが深い。

:さっきからその適当な返事は何だ?

長女:ほら、私たち気の置けない仲だからね。

:人の話聞いてないなら、窓閉めて暖房つけようかな。

長女:やめて、溶けちゃう。てか、お父さんこそ日焼けしてボディビルダーになるくらいの気概でいなきゃ。

:さすがに50代にそれは酷だよ。

長女:その50代がノースリーブはちょっと……。

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