デフレが終わり、あらゆる物が高くなっていく東京。企業は訪日客に目を向け、金のない日本人は"静かに排除"されつつある。この狂った街を、我々はどう生き抜けばいいのか?
新著『ニセコ化するニッポン』が話題を集める、"今一番、東京に詳しい"気鋭の都市ジャーナリストによる短期集中連載。
仕事柄、渋谷の街について書いたり話したりすることが多いのだが、そのときによく来るコメントが「昔の渋谷は良かった」というものだ。合わせて「渋谷はもう若者の街じゃないよな……」といった嘆きも多い。
こうした言葉は、聞きようによってはただのノスタルジーに聞こえるかもしれない。しかし、実は現在の東京の変化を非常によく表している言葉であり、ひいてはそれを取り囲む「日本」の現状さえも映し出している。
PARCOが渋谷を「若者の街」にした
2021年にメトロアドエージェンシーが行った東京に関するイメージ調査では、「渋谷」について、回答者の「78%」が「若者向けの」という回答をしたという。それぐらい、渋谷は「若者の街」としてのイメージが強い。
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