「インバウン丼」食べない人にも批判された深い訳 テーマパーク化するニッポンに、どう向き合うか

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千客万来
流行語大賞にもノミネートされた「インバウン丼」。訪日客向けの海鮮丼の俗称ですが、食べない(食べられない?)日本人になぜ批判されたのでしょうか?(筆者撮影)
デフレが終わり、あらゆる物が高くなっていく東京。企業は訪日客に目を向け、金のない日本人は"静かに排除"されつつある。この狂った街を、我々はどう生き抜けばいいのか?
新著ニセコ化するニッポンが話題を集める、"今一番、東京に詳しい"気鋭の都市ジャーナリストによる短期集中連載。

さまざまな商業施設や観光地が誕生した2024年。中でも話題になった施設の一つが、豊洲に誕生した「千客万来」だろう。豊洲市場に隣接した場所に誕生し、飲食店に温泉・ホテルが付いた複合型商業施設である。

ここが話題を呼ぶきっかけになったのが、「インバウン丼」という言葉。同施設で売られている高額な海鮮丼のことで、「インバウンド観光客向けのぼったくり商品」というイメージから、その名称が批判的に広がった。

興味深いのは、そこでの批判を見ていると、それは単なる「ぼったくり」に対する批判だけにとどまっていないことだ。もっと別の理由の恐怖がそこにある。それが「都市のテーマパーク化への恐怖」だ。どういうことか。

千客万来の「インバウン丼」とはどのようなものか

「豊洲 千客万来」は大手・温泉施設グループとして知られる「万葉倶楽部」が施設管理者で、飲食街である「豊洲場外 江戸前市場」と、温泉施設「東京豊洲 万葉倶楽部」から成り立っている。

【画像10枚】海鮮丼「極」で7800円、竹でも3900円…物議醸した「インバウン丼」はこんな感じ
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