こうした点を問題視したのか、渋谷区は2009年に同園の命名権をナイキ・ジャパンへ売却し、さらに同社の負担で改修したうえで有料の公園にすると発表。2011年のリニューアルオープンまでに抗議活動が起こるほどの、さまざまな騒動があり、注目を集めた。
しかしリニューアルしてからつかの間、躯体が耐震基準を満たしていないことや伸びた樹木が近くを走る線路に倒れる危険性があることなどから再度の刷新を行うことに。
その結果として生まれたのが、このMIYASHITA PARKだ。
渋谷はもはや「若者の街」ではない?
かつては「若者の街」としてさまざまなトレンドを発信してきた渋谷だが、近年は目まぐるしくその姿を変えている。
中でも大きな変化が、駅周辺に高層ビルが増えたこと。2012年に完成した「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、2019年に東棟が開業した「渋谷スクランブルスクエア」、さらには再開発のラストピースと各メディアが報じていた「Shibuya Sakura Stage」が、この7月に開業した。
新たに駅周辺へ数多く誕生した大規模商業施設は、単なる買い物の受け皿としてだけでなく、オフィス需要の取り込みにも機能している。
ここ10年ほど続く再開発の結果として、外資系を中心に多くの企業が渋谷にオフィスを構えるようになり、どことなく街も大人な感じになった印象を受ける。
ビジネスパーソンだけでなく、インバウンド観光客も非常に多い。JR渋谷駅前のスクランブル交差点では、立ち止まって写真や動画を撮影している人を多く見かけるし、飲食店の行列にもちらほらと並んでいる。
このように、かつての若者の街は今やビジネスパーソンにインバウンドとさまざまな属性の人が集まり、多様性の街と化している。
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