なぜ中高の「部活動」は"強制"になったのか? 子どもたちも先生も疲弊している!

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――PTAや町内会の問題と重なりますね。タダでやってくれる人がいるなら、それをわざわざ止めることはない、と。

そうですね。もしある程度それを外部化しよう、ということになると、かなりのコストがかかってきてしまいますし。

保護者は土日もやってほしい

――ご著書のなかに、「なんで土日まで部活動をやるのか」と聞くと、先生は「生徒がやりたがるから」と答え、生徒は「先生がやると言うから」と答えるという、冗談みたいなお話がありました。お互いに「部活動は、やりすぎだ」と思っているのに、なぜこうなってしまうんでしょう? 保護者の望みですか?

保護者は「やってほしい」と思っているほうが多いでしょうね。教員の負担を感知していない人が、まだまだ多いですし。

あとは、そういうふうに大会スケジュールが組まれている、というのもあります。何月に大会、何月に大会、というふうに、地区大会、全国大会へとつながっているので、先生も子どもも、「毎日練習して、大会で勝ち上がっていくもんだ」と思っている。そういう「空気」があるんですね。

――疑問を差し挟む余地がない「空気」ができあがっている、と。

あともうひとつ、日本のスポーツの悪いところですが、「たくさんやれば勝てる」と思っている。これも大きいですね(苦笑)。

日本のスポーツ指導って「たくさんやる」というのが前提なんです。みんな“精神論”で育ってきているから、そこに“合理性”とか“科学性”というものをもってこないんですよね。

部活動は外部化していく必要があるんですけれど、ただ外部指導者って、より「たくさんやりたがる」傾向がある。そこは注意しなければいけない点です。むしろ素人の先生のほうが、「どうやって練習の日数を少なく、うまくなるか」ということを考える可能性もあったりします。

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