2014年、ロシアのソチで開催されたロボットの世界大会である「WRO(World Robot Olympiad)」。世界50の国と地域から、約3万人の生徒が参加したこの大会で、日本勢で初めて優勝した中学校がある。国立奈良教育大学附属中学校だ。
これまで10回以上参加し、やっと勝ち取った優勝だ。近年は同校の科学部目当てに入学する生徒も少なくないという。実際に部活の風景を見ると、どの生徒もロボット制作に熱中しており、先生がやらせているという雰囲気ではなかった。
どうしてロボットを教育に取り入れようとしたのか、子どもたちにどのような成長が見られるのか。科学部を指導する葉山泰三教諭に話を聞いた。
――IT教育がすごく進んでいるという印象を受けました。
実は、奈良のIT教育は全国でいちばん遅れている部類に入ります。昨年8月に文科省が発表した調査では、教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数は全国平均が6.5人に1台に対し、奈良は約7.5人に1台と遅れを取っています。
教員の校務用コンピュータ整備率についても68.0%と、全国で最低です。付属中では、2013年度からIT教育推進のために富士通と共同プロジェクトを3年間実施していて、キーボードの取り外しができて、ノートパソコンとしてもタブレットとしても利用できるタイプを150台、iPadを120台導入しています。全校生徒が479人なので、約1.7人に1台です。
私は授業では技術家庭科を担当していて、ロボット制御の授業を行ったりしています。また、奈良教育大学と連携し、効果的なロボット教育の実践を試行錯誤しているところです。部活動である科学部の指導については、今年で6年目になります。
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