「ロボット教育」は、子どもをどう伸ばすのか

世界大会で優勝した奈良の中学校で聞く

――科学部は今とても人気のようですね。

もともと科学部は風前の灯火だったのですが、2004年くらいからレゴ社のマインドストーム(ロボット制御教材)を用いて宇宙の学習などを進めてきました。

現在の部員数は55人で、うち女子が8人です。学校の中でいちばん大所帯です。今年新しく入った中学1年生に聞くと、入学する前から科学部のことをニュースなどで知っていて科学部に入りたいから受験したという子、また、プログラミングがしたいから入部したという子どももいます。

なぜ世界で勝てたのか?

――昨年、ロボットの世界大会である「WRO」で優勝しています。どういった内容だったんでしょうか。

世界大会で優勝した3人(写真左より、堀口大聖君、長野春太君、山本拓実君)

WROは約50カ国から3万人の子どもが参加する大会です。「オープンカテゴリー」という創作ロボットのプレゼンテーション部門で中学2年生3名のチームが優勝しました。テーマは「ロボットと宇宙」と決められていて、レゴ社の教育ロボット・マインドストームEV3を用いて「ロボットを設計・製作する技術力・創造力」「ロボットを制御するプログラミング力」「ロボットをプレゼンテーションする表現力」などを総合的に競うものです。

日本の予選では全てカテゴリーあわせて1200チームが参加しましたが、創作ロボットのカテゴリーは日本では指導できる先生が少ないようで、参加チームは限られていました。

海外のチームは約40チームありましたが、新しい星に行って探査するような探索ロボットを作って来たチームがほとんどでした。その中で、付属中のチームは宇宙衛星から星の表面のデータをスキャンして再現し、安全探査のための下調べができるロボットを制作しました。

3Dナビゲーションが出来るといった機能があるのですが、そのアイデアは他のチームにはなく、満場一致で優勝になりました。

海外のチームの中には、100万円とか200万円といった予算がかかったロボットや、とても大きなロボットを持って来たチームもありました。つまり、国家をあげて莫大な予算をかけて出場してくるチームもあったんです。特に、シンガポール、マレーシア、台湾、韓国などのアジア系が積極的にコンテストに参加していましたね。低予算を心掛けたこちらとは対照的でした。

――優勝するために、具体的にどのようなトレーニングをしたのですか。

その前の年に優勝できなくて悔しい思いをしたのですが、その時の反省点は、テクニカルなもの、例えば機械面での優秀さ、プログラミング面での優秀さが特に評価されるということだったのです。

採点項目を1つひとつ検証しながら、原稿作りには随分時間を割きました。5分間のプレゼンから質疑応答まで全てを英語で行うため、奈良教育大学の学生たちに聞きながらアピール合戦のトレーニングも行いましたね。

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