キッチンには中身が入ったままの調味料類が大量にある。手に取ってみると、封が開いていなかったり、中途半端に中身が減っていたりする。
モノが多い人によくある傾向だが、家に何が揃っているか把握できていないまま、次々に買い物をしてしまうのだ。同じ用途の調味料が家にあるのに買ってしまい、そのうち消費期限が切れる。捨てることができずにどんどんたまっていき、何が家にあるのかさらにわからなくなってしまう。
2階に2つある和室は足の踏み場がなかった。介護が必要な身体になってから、階段を上がることがめっきりなくなったのだろう。大きなタンスがひとつあるだけで高齢者の家にありがちな「無駄にサイズの大きい婚礼家具」といった類いは少なかったものの、布団、クッション、服、モノを詰め込んだダンボールに袋などが床いっぱいに並べられていて、物置部屋になってしまっていた。
誰かに相談する気力さえ失っていた
イーブイに片付けの依頼をしたのは、この家に住んでいる80代の女性本人ではなく、女性の娘の友人である明子さん(仮名・50代女性)だった。明子さんが片付けの経緯を話す。
「(80代の女性は)病気で今入院されていて、もう一人では生活できないということでそのまま介護施設に入らないといけなくなったようです。この家は引き払うことになるんですが、私の友人である娘さんも“何をどうしていいのかわからない”と困っていたので、私からイーブイさんに連絡しました」
娘から相談されたわけではなく、明子さんが自分で行動を起こしたのだという。それは、自身も過去に親の介護で苦労をした経験があったからだ。明子さんが続ける。
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