病院で息を引き取った父の家に行くと、そこはネズミの巣窟になっていた。2階にあった子ども部屋は自分が住んでいたときのまま残されていたが、ネズミに荒らされ、床にはその糞が大量に散らばっていた。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
亡き父のゴミ屋敷清掃を依頼した息子(40代)は何を想うのか。YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する、ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)の代表・二見文直氏が当時の様子を語る。
動画:ネズミが飛び出すゴミ屋敷!6人で8トン分〜1日の片付けに密着〜
「使用済みティッシュ」で埋め尽くされたリビング
現場は大阪府内某所の住宅街にある3LDKの一軒家だった。
築年数は古いものの外観は立派なもので、外から眺めていると、中年の夫婦が定年後の時間を過ごし、働きに出た子どもたちがたまに帰ってくるような、至って普通の生活が営まれているように見える。
しかし、玄関の扉を開けた瞬間、動物の臭いがするのだ。ペットを飼っているわけではない。なぜなら、この家にはもう誰も住んでいないからだ。
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