「大量のネズミと糞にまみれた実家」子が見た絶望 疎遠だった独居の父が病死し、実家を訪ねたら…

✎ 1〜 ✎ 40 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「今日は1階から片付けていきます。ネズミは基本的に2階の押し入れにいる可能性が高いので、上で(ネズミ駆除の)煙を焚いている間に、下を片付けていく予定です」

現場に入った、文直氏の弟でありイーブイのスタッフでもある信定氏がそう言うとおり、人の気配を察したのか2階の押し入れからも「ガサガサ……」とネズミが這い回る音がする。たしかに、1階で聞いた音よりも数が多い。

ゴミ屋敷
まずは1階から一気に片付けていく(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

妻にも実家のことは内緒にしていた

この一軒家には70代の男性が住んでいた。一緒に住んでいた妻は早くに亡くなり、そこからずっと一人暮らしである。そして、今回の依頼者である息子とは長らく疎遠になっていたという。

病院で男性が息を引き取ったことを機に息子が久々に実家へ戻ると、想像もしていなかった光景が目の前に広がっていた。

ゴミ屋敷
ゴミ屋敷と化した実家で父親が生活していたとは思いもしなかった(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

大阪から離れた土地に住んでいたということもあったが、肉親の状況をまったく把握できていなかった自分を恥じていたという。見積もりのときの様子を文直氏が話す。

「実家がゴミ屋敷になっていたことは父親が亡くなるまで知らなかったようです。そんな状況は恥ずかしくて誰にも言えないけど、誰かに頼らないことには解決しないと悟ったとのことで、こっそり私たちに連絡をくれました。実際、息子さんは一緒に暮らしている奥さまにはゴミ屋敷の件を内緒にしていました。なので、すべて一人で対応されていて、片付けの当日は仕事があるというので現場には来なかったです」

聞けば息子は見積もりの際も家の中にほとんど入ろうとしなかったという。そのため、遺品を取り出すようなこともないまま片付けの当日に至った。

依頼の内容は「貴重品以外はすべて処分してほしい」というものだった。それぞれの家庭にそれぞれの事情があるが、背景を知れば知るほど悲しい気持ちになる現場だった。

ゴミ屋敷
家の至るところに小銭が散らばっていたのも特徴的だった(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
次ページ「うわっ、出た!」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事