「太陽の正体は?」宇宙には"2つの面白さ"がある 「月、宇宙人、火星移住…」東大宇宙博士の話題書

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納得できるような、ちっとも納得できないような話だが、宇宙はそれほど謎に包まれているわけである。

宇宙人は本当にいるのか?

誰もが知りたいと思っているに違いないこの問題について、著者は「宇宙人」を「UFO」「地球外生命」「地球外知的生命」に分けて答えている。

 まず、UFOは存在します。なぜなら「UFO=未確認飛行物体」だからです。ただし「UFO=宇宙人の乗り物」という科学的な証拠は、いまのところありません。(44ページより)

過去の大規模な調査によって、目撃されたUFOの94%は「見間違い」であるという結果が出ているのだそうだ。

つまり多くの場合は、飛行機や天体をUFOだと思い込んでしまっているということ。

なんとなく残念だが、しかし「そうだろうな」と思わざるを得ない部分もある。

ただし2023年にNASAがUFOを研究する責任者とメンバーを任命し、データの収集・分析に取り組むと発表しているため、これから驚くような事実が発見されるかもしれないという。

 続いて、地球外生命。つまり、「地球以外の場所にいる生き物」のことです。
 地球外生命は、太陽系のなかにも潜んでいる可能性があります。火星、木星の衛星「エウロパ」、土星の衛星「エンケラドス」が候補地です。(45ページより)

そして、いちばん気になる地球外知的生命である。人間のように高度な知能を持った生命――宇宙人がいるのかについてだが、この疑問に対する答えにはさまざまな説があり、学者によって見解が分かれるようだ。

 天文学的には、宇宙にはとてつもない数の星があるため、「宇宙人はきっと宇宙のどこかにはいるんじゃないか」と考えたくなります。
 一方、生物学の観点では、宇宙における生命は地球にしか見つかっていませんし、そもそも地球の生命がどうやって生まれたのかもまだ解明されていません。仮に地球外に生命が存在したとしても、知的生命にまで進化することは簡単ではなさそうなので、「宇宙人なんていないんじゃないか?」と考えることもできます。(45ページより)

要するに、宇宙人の問題は、科学の視点で掘り下げてみると非常に奥が深いということだ。

そのため、生物、化学、物理学、天文学、宇宙論など、あらゆる分野の知見を総動員しながら、その答えを見つけるための研究が進められているという。

さて、私たちは生きている間に、「答え」を確認することができるのだろうか? そして、宇宙人と挨拶したりする日は訪れるのだろうか?

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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