【80年ぶり】恒星の爆発で"新生命"は生まれるか 星の世界にある「命のバトンリレー」とは?

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星の爆発
想像を超えた出来事を巻き起こす「恒星の死」と「生命誕生」の関係について解説する(画像:nikkytok/PIXTA)
「小惑星探査」や「火星移住」などのニュースから、UFO、宇宙人の話題まで、私たちの好奇心を刺激する「宇宙」。だが、興味はあるものの「学ぶハードルが高い」と思う人も少なくない。
知らなくても困らない知識ではあるが、「ブラックホールの正体は何なのか」「宇宙人は存在するのか」など、現代科学でも未解決の「不思議」や「謎」は多く、知れば知るほど知的好奇心が膨らむ世界でもある。また、知見を得ることで視野が広がり、ものの見方が大きく変わることも大きな魅力だろう。
そんな宇宙の知識を誰でもわかるように「基本」を押さえながら、やさしく解説したのが、井筒智彦氏の著書東大宇宙博士が教える やわらか宇宙講座だ。「会話形式でわかりやすい」「親子で学べる」と読者から称賛の声が届いている。
その井筒氏が、想像を超えた出来事を巻き起こす「恒星の死」と「生命誕生」の関係について解説する。

恒星の最期には「3つの結末」がある

夜空にきらめく星々は、永遠に輝きつづけるように思われますが、じつは、寿命があります。

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恒星は、人間と同じように一生があり、「生まれて」「一人前になって」「老いて」、やがて「死」を迎えるのです。

「成人の星」は、中心部で核融合反応が起こり、光と熱を発します。

「老人の星」になると、外側で核融合反応が起こるようになり、ぶくぶくと膨らんでいきます。膨らむと表面温度が低くなり、赤みを帯びます。この年老いた恒星を専門用語で「赤色巨星」や「赤色超巨星」といいます。

太陽も寿命を迎えると、巨大化します。地球を飲み込むXデーがいつ来るのかは、以前の記事(「【Xデーはいつ?】地球を飲み込む『太陽の巨大化』)をご覧ください。

太陽が老いると、炭素や酸素などの元素がつくられます。太陽よりももっと重い恒星が老いると、炭素や酸素だけでなく、マグネシウム、ケイ素、鉄などの元素がつくられます。

「老人の星」にやがて訪れるのが「死」です。

どんな最期を迎えるのかは、「成人の星」のときの体重次第。次の「3つの結末」のいずれかを迎えることになります。体重によって死に方が決まるとは、ドキッとしますね。

恒星の最期「3つの結末」
1 白く小さい燃えかすが残る→白色矮星(はくしょくわいせい)   
2 大爆発して、硬い芯が残る→中性子星(ちゅうせいしせい)
3 大爆発して、空間に穴があく→ブラックホール 
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