大爆発による恒星の死には、「3つの役割」があります。
1つ目の役割は、「星のなかでつくられた元素を宇宙にばらまく」こと。このおかげで宇宙に炭素や酸素が行き渡ります。
2つ目の役割は、「爆発によって新しい元素をつくる」こと。中性子星と同じように、鉄より重い元素をつくり出します。
ガスを集めて星になり、新しい元素をつくっては死に際にばらまく……。恒星は元素を生み出すために生きる使命を持っているのかもしれません。
星が死ぬことで、新たな星が生まれる
3つ目の役割は、「爆発の衝撃がまわりに広がり、新たな星が生まれるきっかけになる」ということ。
ガスが漂っているところに衝撃波が到達すると、ガスがギュッと集められ、「赤ちゃんの星」になることがあります。
花を咲かせて種を落とし、またどこかで花が咲くというような「命のバトンリレー」が、星の世界にもあるのです。
1 星のなかでつくられた元素を宇宙にばらまく
2 爆発によって新しい元素をつくる
3 爆発の衝撃が新しい星を生むきっかけになる
私たちが住む地球が属する太陽系も、星の生と死によってつくられた元素を集めて生まれてきました。隕石の研究から、太陽系誕生の前には少なくとも2回の超新星爆発が起きたことがわかっています。
前の世代の恒星がせっせと元素をつくってくれていたおかげで、いまの太陽系があるということです。
星の死とは違った爆発もあります。こちらも、私たちと大きく関係のある現象です。
今年の8月、星が爆発して「新星」が見られるかもしれないとニュースになりました。
「かんむり座T星」という恒星で、過去1866年と1946年に爆発を起こしています。ふだんは肉眼では見えませんが、爆発が起こると、都会でも見られる明るさになると期待されています。
約80年ぶりの天体ショーが見られると注目されてから、なかなか爆発は起きていませんが、まだこの10月に見られるチャンスは残されています。
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