森永卓郎、岸博幸に感じた「余命の差」が生む余裕 日本経済停滞の「原因」については意見が一致
経済アナリストの森永卓郎氏と慶應義塾大学大学院教授の岸博幸氏。ともに霞が関での宮仕えを経た後に、経済評論家や学者として活躍をするという道を歩んできた2人ですが、奇しくも2人とも、60を過ぎてからがんを患い、余命宣告を受けることになりました。
そんな2人が、行き詰まりを見せる日本の経済社会に向けたメッセージとして上梓した対談本『遺言 絶望の日本を生き抜くために』。政策的にも「水と油」と評される2人ですが、多岐にわたる対談の中で森永氏は、岸氏との間にある政策的主張以上の「違い」に気がついたといいます。
※本稿は同書から、一部を抜粋・編集してお届けします。
余命の「タイムスパン」が生み出す違い
岸博幸さんとは、何度も共演しているが、これまで立ち入った話をしたことはなかった。私が打ち合わせ嫌いで、本番前は黙ってしまうことが多いからだ。私は、そんなに器用ではないので、本番前に話をすると、本番のテンションが下がってしまうのだ。
そのため、対談がどのように発展していくのか分からない部分も多かったのだが、予想どおりだったのが、残りの人生を考えるスパンの違いだ。
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