夫を試してしまう自分をどう抑えればいいか 大切な人を、どうしても傷つけてしまう

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松田様、東大先端科学技術研究センターの准教授で小児科医の、熊谷晋一郎さんという方をご存じでしょうか。東大医学部卒で、さまざまな活動をしておられる方で、著書もたくさんあります。

出産時のトラブルで、脳性麻痺になられた方です。車いす生活ですが、親が先立つと自分は生きられないと悟られました。そして親の猛反対を押し切って、親の手厚い介護から自立する生活を、高校卒業後から選択されました。ある日外出先の急な失禁を、通りすがりの人にお願いして、きれいに洗って貰いました。「それまでひとりで抱えていた絶望を、他人とわかち合えた」と感じたそうです。「世界はアウェー(敵地)じゃなかった」という絶大な希望を感じたと言っておられます。

その熊谷氏が、絶望をひとりで抱えてきた大勢の精神障害者等の集会に参加された時のことを、語っておられます。「さまざまな絶望体験を互いに話し、共有することで、『もう何があっても大丈夫だ』という、不思議な勇気や希望が生まれている」のだそうです。

だからといって問題は何も解決していませんが、この変化はとても大きいと言っておられます。このような経験をされてきた熊谷氏の言葉ですから、非常に重いひと言だと思います。障害の波と上手く付き合う、一助になると思われます。

松田様と熊谷氏の障害の種類は違いますが、熊谷氏はまた、次のような要旨のことも語っておられます。「自分にとっては不便がたくさんあることは不幸じゃない。健常者にとっても、不便がない生活はあり得ないのだから。むしろ不便を解決していく(世界と直接交渉している)ワクワク感の方が大きい」そうです。コトは考えようで、変わるものですね。

障害をオープンにできる環境作りと継続した治療を

ご相談者様のおっしゃる「悪癖」が、障害からくるものか、あなたの性格によるものかわかりません。日本の若者は米国や中国・韓国と比べても自己肯定感が極端に低く、自信がないと感じていることに欠けては、断トツ1位です。

健常者でも自信が持てない人や、人を試してしまう人はザラにいるのです。性格からのものでしたら、あなたの悪癖はザラにある癖で、周囲と共有したり、努力次第で十分改善できるものだと思います。

結論はありきたりですが、専門家の治療や精神療法を、継続して積極的に受け、恣意的に中断しないようにしましょう。同時にご主人の協力を得て周囲の人に、あなたの障害について理解が進むよう努力することも、欠かせない目標です。

「絶望が深ければ深いほど、それが共有できた時に生まれる希望は力強い」(熊谷氏)というような、プラス思考になれる言葉を、たくさん心にとめましょう。あなたの「悪癖」が性格によるものでも障害によるものでも、自分から打ち明ければあなたを理解して助けてくれる人は、すぐ傍にいるものなのです。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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